10月30日、31日に、タイ王国内務省とJICA(独立行政法人国際協力機構)の視察を受け入れました。
タイは急速な経済成長により大きく発展し、首都バンコクへの一極集中となり、地方においては高齢者の貧困や独居高齢者の増加、労働人口の大都市部への流出、地場産業の衰退といった課題が深刻な状況です。
今回のタイからの視察は、タイにおける高齢化・過疎化問題に対し将来に備えるため、若者や移住農家への支援、ツーリズムの開発を視野に、課題先進国である日本からアイデアを取り入れることが目的としています。
さらに、「儲かる農業」を目指し、「農」と「食」に関わる事業者により横断的な組織により地方の地域を盛り上げている北杜市フードバレー協議会の取り組みが注目され、視察先として選ばれました。
30日の視察ナビゲーターは、北杜市フードバレー協議会会長及び岩窪農場代表の「大塚広夫」氏、タイで6年の勤務を経験したNXアグリグロウの「葛西圭佑」氏が務めました。
ハーベストテラス八ヶ岳にて、フードバレー協議会が取り組んでいる販促推進のための販路拡大事業、農業技術力や経営力の向上事業、新規就農者の支援・育成事業の説明を行いました。
タイ職員からは、農業技術と雇用の関係、新規就農者への関わりや支援など多くの質疑があり、意見を交換しました。
その後、岩窪農場のハウスに移り、イチゴ栽培や出荷、経営の知見を共有しました。
31日には、有機農業のみに収まらず多様な事業に取り組む株式会社ファーマンの「井上能孝」氏が務めました。
農福連携事業、環境負荷低減に向けた取組、子どもたちの農作業体験などの農観ツーリズムの事業を説明する中で、地域との連携や販路拡大への取組なども話題となり、実践を踏まえた経験談をお伝えしました。
今回の知見・経験をタイ側で共有し、併せて、豊かな地方資源を有し、高齢者の学びや交流の場の創出、地場産業を活かしたまちづくりなどに勤しむタイでの取組から我が国も学ぶ「タイと日本の『人と知』の交流」により、タイにおける課題解決策の共創と、我が国の地方創生への寄与を目指します。
今回のJICAプロジェクトはスタートであり、今後はタイの地方都市との地域活性化に関わる幅広い関係者同士の経験共有や意見交換を推進していくことになります。
今後も北杜市フードバレー協議会では、北杜市産農産物の販路拡大や北杜市の農業を盛り上げられるような活動を行っていきます。